お金持ちのホームレスおじさんの話”なんでテント暮らし?”麻に注目した経緯
おじさんとの話の中で聞いた世界での麻の需要や、日本での麻の扱いなどを知って洋服を作りはじめました
環境にも良い素材でずっと使える服を作っています
↓画像をクリックして麻の特徴を見る
おじさんのとの出会いは道端でした
おじさんは、ボロボロのスキーウェアを着て、道端でしゃがんでいました
私は車でお出かけ
「なんかおじさんいるなぁ」と思いながら通り過ぎます
数時間後、帰りに通るとまだおじさんは同じ場所でしゃがんでいます
着てるものも薄汚れていて、場所も山道です
薄暗く周りに車も止まっていなかったのです
しかも寒い
「このおじさん、どうやってここに来たのだろう?」と思ってあたりを見ても家などありません
「何してるんだろう?」とおそるおそる近づくと、スマホ片手に何かしています
ブツブツと草とスマホを見比べているのです
話しかけても全然返事がありません
肩をたたくとようやく気づき、話をしてみると「夢中になっていて気づかなかったけどもうこんな時間か」と、呑気なことを言っていました
どうやって来たか聞くと「歩いて来た」
家はどこか?と聞くと「家はない」と
「…!どうしよう…」
市役所に連れて行こうかとか、私の頭の中はグルグルです
役所はもうしまります
おじさんは「歩いて帰る」と言うのです
「帰るってどこに?家ないってさっき言ったよね…?」
しばらくかみ合わない会話が続きました
自分の父親と同い年のおじさんでした
元気そうだけど、歩いたら3時間くらいかかりそうなので、送って行くことにしました
道中おじさんは車で爆睡していました
わかったのは”テントに住んでること”一軒家の庭先で
その日はそれで帰りました
次の日、何をやっていたのか気になったので、おじさんのテントへ行ってみました
おじさんは本を読んでいました
経営・マーケティング・経済
株・資産運用
哲学・図鑑
歴史・化学・古文
心理学・病気
囲碁・将棋のチェスの本など
本が転がった乱雑な空間です
どうやら図書館から借りてきているみたいです
おじさんは少しビックリしていたけど、水筒に入れて持っていった豚汁を二人で食べながら、昨日道端で何をしていたのか気になっていたので聞いてみると、「大麻草とか山菜を探してた」と
「あのあたりで昔、大麻草を育てていたって聞いたし、山菜も探そうかと思って行ってみたんだよ」と
”大麻”というワードにビックリしたけど、よく聞いたらどんな匂いかとか、煮たり刻んだりしてみたかったと言っていました
図鑑だけじゃなくて、実際に見てみたかったと
そんな中、家から女の人が出てきて、おじさんに餌でもあたえるかのように、ご飯を置いてすぐ家に入っていきました
「この家は兄弟の家で、僕は庭先をかりているんだ」と話していました
その後も、えたいの知れないおじさんが気になり通いました
ご飯やお酒を持って、おじさんのテントへ行くようになり、そのうち友達も一緒に行ったりするようになりました
おじさんは恐い人かと思ったけど、気さくで若い人とも同じように話すので、私の友達からも大人気です
おじさんはとくに男性からはとても好かれていました
テントへと入れ替わり立ち代わり通いました
話が途絶えることなく続くので、時間が足りず行けない時は、自宅に来てもらうこともありました
少しの間一緒に住んでもいました
一体おじさんが何をしていた人なのか、どうしてこんな暮らしをしているのかは何となく聞けないまま
突然「車出してくれる?寿司でも食べに行こう」と、おじさんが言い出したのです
「お金は出すから」「私の知り合いの分まで出す」と
私は何言ってるんだろう?食べ物に困っていてお金も無いと思っていました
でも行きたいというので、私の周りの友達を誘い行くことにしました
高いお寿司屋さんで、10人程のお寿司の代金を払ってくれました
おじさんの正体
その後もテント通いが続きます
おじさんは離婚したけど、子供がいると話していました
好き勝手やりすぎて、会ってくれないんだと笑いながら話していました
通っていると、高級車がテントの前にとまっている事がありました
「誰か来てるの?」と聞くと「昔の友達だ」と
とてもきれいな身なりでかっこいい人でした
テントにいるのが、とても違和感のあるその人も、話題の豊富な面白い人でした
一体おじさんは、何をしていた人なんだろうと探ってみると、昔東京の品川あたりのマンションやロサンゼルス、シンガポールに住んでいたこと
アメリカの私でも知っている、有名大学を卒業していること
何社も起業していたことを、その時ようやく教えてくれました
失敗して、兄弟の庭先を間借りして、テント暮らしをしていたのかと思っていたら、その友達が「お前お金あまるくらいあるんだから、家ぐらい借りろ!歳なんだし死ぬぞ」と言い出したのです
おじさんは、しょうがなくテント暮らしをしていたのではなく、好き好んでテントで暮らしているのです
「いいんだよここで、ほら若い人とも話せるし楽しいよ」と
そう言っているおじさんはさみしそうです
どうやら寂しさから、兄弟の庭先を選んでいるようなのです
でもその兄弟は、事業に失敗し離婚をした、ろくでもない兄弟と思っているような雰囲気でした
おじさんとの話が楽しかった理由
そんなおじさんの話は面白く、引き込まれます
一生懸命考えないと、話が全く追いつかなかったです
おじさんは私の考えなど丸わかりなのです
私の常識など通用しません
気さくな半面とても厳しい人です
おじさんと言い合いもしました
それでもおじさんの考えが、何でそうなのか知りたくて、通い続け理解できなかったことが、理解できるようになります
外から俯瞰的に見ている人の考えは気づけないんだ、レベルが全く違うんだと思い知らされました
経営者だったおじさんは人を導くのがとても上手です
いつも答えは教えてくれずに、私に考えさせるように問います
私はいつも答えを持って、おじさんのテントに通います
これが正解でしょとドキドキしながら
大抵違います
例え話でいつも納得いきます
このおじさんの話で、気づく瞬間が楽しくてしょうがなかったんだと
自分の考えを押し付けることもありませんでした
否定的な言葉は使いません
おじさんは人の話をよく聞きます
話させるのが上手なのです
これがごく普通にできる大人に会うことは、中々ないのではないでしょうか?
みんな余裕がないから
説得力のある圧倒的な自信と、寂しさを感じる人だったのです
ホームレスのおじさんが
言葉をかわすことがこんなに楽しいなんて、おじさんと会って実感できました
おじさんがかわった人でなかったら、テント暮らしはしていなかったと思います
私とおじさんの人生に、接点が生まれることもなかっただろうと
おじさんの仲間の集まりにも、度々連れて行ってもらいました
自分の知らない世界の話を聞いてみるのは面白いよと
髪を整えてスーツを着たおじさんは、威厳がありとてもかっこよく、いつもと違う振る舞いに、おじさんの頑張ってきた背景が想像できました
でもテントに戻れば元通り
見栄を張るわけでもなく、自慢するわけでもないおじさん
圧倒的な努力がした過去があるから、テント暮らしでも満足で、卑屈さも全くなく、他人からの目も気にしないのだろうと
周りの皆をまとめて、ヘリスキーへ連れて行ってもらったり、私一人ではできない経験もさせてもらいました
おじさんとの繰り返した会話が、勤める以外に興味を持つようになったきっかけです
私にもできるかも?できなくても1回やってみよう
おじさんは私の小さなwatahanaのチャレンジを、「どんどんやれ、失敗しろ!やってみないとわからないだろ?失敗しないでどうするんだ」と笑いながら、嬉しそうに見守ってくれています
テント暮らしのおじさんは、はたから見れば落ちぶれた人なのだと思います
離婚して子供に会えないおじさんは、さみしそうに子供の話をします
でも、おじさんは自信がないわけではないのです
「人生をもう一度やりなおせるなら、どういうふうに生きるの?」と聞くと、「また同じように生きる」と、予想外の答えでした
「子供に会えない人生をまた選ぶの?」と聞くと「そう、結果そうなってしまうだろう、馬鹿だから」と
そんなこと言いながら私には
仕事や、やりたいことに、のめりこみ過ぎるなよ
目標を持つのはいいけど、お金や地位に夢中になるなよ
お金を稼げるようになっても、人には絶対に言うな、利用しようとする人が寄ってくる、男にも気をつけろ絶対言うな
稼いだお金で何をしたいのか考えて仕事しろ
とか言いながら
開業しないの?
考えることは楽しいぞ
誰かの決めたことをやるだけでいいのか?
満足できる?
お前の人生だぞ
いつかやるって言ったってすぐに年取るぞ
失敗していいんだ
お前なんかにすぐにできるわけないだろう
と、おじさんは自分が満足できるように、挫折しながらでも気をつけて生きなさい、それを恥じるなと言っているのだと思っています
もう一度同じ人生を生きるとすぐに言ったおじさん
私ならこうしていれば良かったと、違う道を選ぶと思います
どんだけきつく言われようと、話を聞きたいと思えてしまう人なのです
出会う人により自分の人生がかわっていきます
友達も恋人も
上手くいかなかったことでも、人との出会いで上手くまわりだすことも沢山あります
逆もしかりです
おじさんとの出会いは、私には大きな意味があったものだと思います
人は噂やイメージで、決め付けてしまうものだと思います
むしろイメージだけで、理解してないことだらけです
話してみればホームレスのおじさんの中には、こんな人も結構いるのではないでしょうか?
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